1歳までは正常に発達しているように見えました。
1歳6か月で保育園に入りましたが、動きがとてもぎこちなく、体調が悪そうに見えました。
ある日ご両親が迎えに行った帰り道で、レイは初めての発作を起こしました。
脳波検査では異常が見られました。
その後1年間、発作をなくすために抗けいれん剤が処方されましたが、発作は周期的に起こっていました。
この時点でてんかんと診断されました。
レイのように持続的に発作がある場合には、たいがいこの診断名がつけられます。
それから1年後、発作は起こらなくなりましたが、抗けいれん剤の服用は続きました。
2年後には、再び発作が始まりました。
以前とは異なる薬が処方され、服用量も変更されましたが、発作は続きました。薬では発作が止まらず、薬にはリスクや副作用があることから、レイの状態を改善するために脳の手術が提案されました。
しかし手術をすれば治るという保証はなく、手術には危険が伴います。
ご両親は脳外科の専門医に相談しました。レイの病気の経緯を検討したミハイ・ディマンチェスク医師の所見は次のようなものでした。
「手術には、出血、感染症、麻痺、言語障害などのリスクが考えられる。
さらに、その後数年は薬剤の服用が必要になると思われる。
手術を考える前に、現時点での唯一の手段として、脳の発達のためのプログラムを始めることを勧める。
人間能力開発研究所のプログラムは、脳の正常でない部分の周囲の機能を向上させるものである。」
ご両親は、手術をしないと決めました。
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