自閉症・てんかん発作 マチルダの サクセス・ストーリー


 

視力が弱く、腹ばいも高ばいもできませんでした

 

お母さんは妊娠中に吐き気がして十分に食べられないとか、横になっていることがよくありました。
妊娠7か月のときの超音波検査で、赤ちゃんの体重が思うように増えていないことがわかりました。
上の子の妊娠中は、赤ちゃんがお腹を蹴ったり、音に反応したりするのがもっとあったことを思い出し、お母さんは気になっていました。
かなり大変な陣痛ののち、マチルダは生まれました。
生まれて一か月間、マチルダはおとなしすぎる赤ちゃんで、めったに泣きませんでした。
また、呼吸やお乳ののみ方にも心配がありました。

マチルダが4か月になるころには、ご両親やおばあちゃんは、赤ちゃんに何か問題があると感じていました。
体の筋力がとても弱くて、自分の手を眺めることにしか興味がないようでした。
家族にも関心を示しませんでした。

腹ばいや高ばいをしようとせず、周囲の人々にも反応しないなど、同年齢の子どもたちに比べると発達は遅れていきました。

1歳11か月で初めて発作を起こし、治療として抗けいれん剤が投与されました。
自閉症およびてんかんの診断がくだされ、二つの病院でこの子は健常になることはないと言われ、ミラノのある病院ではマチルダを施設に入れるように勧められました。

ご両親はそうした言葉を受け入れず、答えを探し始めました。
「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」コースがイタリアで開催されることを知り、参加の申込みをしました。
コースで人間能力開発研究所プログラムについて学び、すぐに家庭でプログラムを開始しました。

腹ばいができるようになることを目指し、ご両親はマチルダが床で過ごす機会をどんどん増やしました。
そうしてまず腹ばいを覚え、さらに両手と両膝で体を支える高ばいが始まり、家じゅうを高ばいで動き回るようになりました。
高ばいの距離が増えるにしたがって、家族や周囲の環境にも興味を示し始めました。

 

 

家じゅうを高ばいで動き回るようになりました

 

毎日何百メートルもの高ばいをしました。
次に目指したのは歩くことです。
研究所スタッフとご両親は、頭上梯子を使って歩くことをマチルダに教えました。

 

 

今はどんなところでも歩けます
走れるようにもなりました

 

独りで歩くようになり、その新しい自由を満喫しています。
家の中でも外でも、行きたいところに行く能力があることにマチルダ自身が気付いたのです。
今は冒険を楽しんでいます。

運動面の発達に加えて、マチルダの知性面の能力を伸ばすためのプログラムも行いました。
視覚に問題があってもはっきりと見えるように、大きな文字で書いた単語カードを見せました。
「赤ちゃんの知性を何倍にもするには」の本にしたがって、算数百科事典的知識のプログラムも始めました。

 

 

 

マチルダには世界一のセラピストチームが
ついています

 

かつては「薬を飲ませましょう。施設に入れて、この子のことは忘れましょう」と言われた子どもです。
世界のどんなところでも、脳障害児をもったご両親は同じことを言われているのではないでしょうか。
愛する娘にそのような運命は背負わせないと心に決めたご両親は、マチルダに素晴らしい世界を切り開きました。
そして、わが子を助けようと希望を抱いている世界中のお母さん、お父さんのための星として輝いています。

ブラボー、マチルダ!