21トリソミー(ダウン症) 大知くんのサクセスストーリー


21トリソミー(ダウン症)

大知くんのサクセスストーリー

素晴らしいスタートを切りました

今はスタミナも同年齢児を上回っています

 

妊娠中は順調でした。
予定日の前日、胎児の心拍数が落ちてきたために、急きょ帝王切開することになりました。
生まれてきた赤ちゃんには黄疸があり、酸素レベルも低く、すぐにNICUに移され3週間入院しました。
保育器のなかで酸素が投与され、モニター装置をつけ、経管栄養となりました。
赤ちゃんの筋緊張がとても弱く、ほとんど泣かないことにも、ご両親は気付きました。
染色体検査の結果21トリソミーと判明しました。

 


赤ちゃんのときの大知くん

 

 

誕生からの1年はとくに大変でした。
ちからが弱くてうまく動けず、あまり声も出しませんでした。
何かしなければいけないと思っていたご両親は、人間能力開発研究所を見つけ、脳障害児に関する活動をしていることを知ったのです。
お母さんはすぐに「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」のコースを受講すると決めて、大知(だいち)くんが2歳3か月になったときにコースを受講しました。
そのときもまだ大知くんの状態は思わしくなく、言語が出ないし、理解できる言葉も2語だけでした。
腹ばいで動くことはできず、痛みに対する反応は全くありませんでした。

コース修了後、お母さんは一刻も無駄にするまいと思いました。
腹ばいトラックをつくり、大知くんはいつでも腹ばいができるように、一日中そこで過ごしました。
そしてついに、動く必要があるときには自力で腹ばいをするようになりました。
写真は、トラックの向こう側にあるものを取ろうと、腹ばいをしてきたところです。腹ばいで家の中を動き回れるようになるのに時間はかかりませんでした。

 

動くために必要な手段を得たことで
すべてが変わりました

 

こうして動けるようになり、その動きはどんどん力強くなりました。
家の中で欲しいものがあれば、腹ばいで動いて目的を達することができるようになりました。

知性面の成長を速めるためのプログラムもすぐに始めました。
大知くんはまだ1歳でしたが、ご両親は無駄に時間を過ごすことのないように、グレン・ドーマン「赤ちゃんに読みをどう教えるか」「赤ちゃんに算数をどう教えるか」の本を参考に、読み算数を教え始めました。

 

読みやすいように、教材を大きな文字で書きました

 

床で動く機会を無限に与えられ、大知くん運動面の能力が急速に進歩しました。
そして立ち上がることができるようになり、生まれて初めての一歩が出たのです。
新しく発見した自由に動ける世界が、大知くんは大好きになりました。

 

体を押し上げて立とうとしています

 

ご両親はコースで学んだ触覚刺激を与えました。
感覚面の反応を向上させるのにとても重要でした。
大知くんは自分の身体を感じ取る能力が向上し、動きやすくなりました。
触覚の向上が、運動面の能力の向上につながったのです。

2歳になった大知くんは、ご両親と初めて人間能力開発研究所を訪問しました。
大知くんのあらゆる能力が大きく進歩して、以前とは全く違った子どもになっていたため、この研究所訪問は重要な意味をもちました。
さらに進歩を続けられるように、現状に即した新しいプログラムが必要だったからです。
大知くんの状態に合わせた栄養プログラム、より高度な読みのプログラムや、運動面のバランス開発のプログラムも加わりました。

手を使う機能を向上させるためのプログラムとして、ぶら下がりも始まりました。
毎日おこなううちに手の力が強くなり、手を使う能力も向上しました。
手を使ってできることが増えていきました。
ぶら下がれる時間も、どんどん長くなりました。

 

少しだけですが自分独りでぶら下がれるようになり
うんていを使って前進する土台ができ始めました

 

運動面の能力の進歩も急速でした。
歩く速度がどんどん早くなり、ついに走り始めたのです。
現在はノンストップで300メートル走ることができます。
この距離は健常な3歳児を上回ります。大知くんは、研究所スタッフによる2回目の機能評価を受けたところです。
以前とは全く違った子どもになりました。
走れるようになり、呼吸の機能が向上して、話せるようになってきたのです。
現在はご両親とのコミュニケーションで使える単語は60語以上になりました。
読むことと算数が大好きで、何かと理由を見つけては本を手に取ります。
自分独りで読むことも楽しむようになりました。

 

独りで楽しく読んでいます

 

これまでの経験や、小さな我が子の将来を思い、ご両親は次のように言います。「自分たちだけの幸せの形があるはずだと思ったのは、間違いではなかったと思います。
これからもやらなければならないことはたくさんありますが、こうして希望を抱いて、子どものために出来ることがあるということは、ほんとうに幸せなことだと思います。
私たちは大知のことで泣いたり悩んだりする必要はありませんでした。
目の前にやるべきことがあったからです。
人間能力開発研究所に出会えたことに感謝です。
ゆくゆくは大知が社会を支える自立した人間になってほしいと願いながら、これからも出来る限りのことをし続けます。」

 

大知くんとご両親
素晴らしいチームです

 

大知くんは素晴らしいスタートを切りました。
動けない、理解力が低い、話せないという子どもが、走れる、理解する、読める、算数を楽しむ、そして話せる子どもになったのです。
ご両親は、究極のゴールである健常へと向けて、大知くんへの働きかけを続けています。
これからもこのニュースレターから目を離さないでください。
大知くんについてもっとたくさんのことをお知らせできると思いますので。