脳障害児の妹を救うための大きな助けになった少女 |
脳障害児をもつ親御さんに、「この子の兄弟のための時間も必要なのです。その時間はありますか」とよく訊かれます。 脳障害児である我が子に、健常になるための闘いに挑むチャンスを与えようと決心した家族では、健常な兄弟姉妹が放っておかれることになる・・・世間ではそう思われるのが一般的かもしれません。一方、兄弟姉妹は自分たちが元気に過ごしているのに、脳障害児がつらい状態のままでいたら、「自分はこんなに楽しく毎日を送っているけれど、弟(妹)は大丈夫だろうか」と考え、障害のある子の存在自体が兄弟姉妹にとって大きな心配の種になっていくでしょう。脳障害の子どもを助けるためには、兄弟姉妹のちからが必要です。 障害のある弟や妹が本当の人生を送れるようになるために、闘うチャンスを与えるチームのメンバーなのです。 溺れている兄弟を助けるために、プールに飛び込んで、水から引き揚げるということを毎日続けるようなものです。 このような重要な機会を得て毎日成長していくことのできる子どもは、近所を見回しても他にはいないでしょう。 弟の収める勝利は兄弟の勝利でもあるのです。 妹の挫折は姉妹の挫折でもあるのです。 家族の一員の命を救うのは、家族というチームです。 闘いの勝ち負けに関係なく、解決策を見出すための大切な闘いなのです。障害のある妹や弟を助けようと飛び込んでくる兄弟姉妹の姿を、私たちはこれまでの60年間で何回も繰り返し目にしてきました。その証拠をというならば、レアを見れば十分でしょう。 まだ6歳ですが、妹のアデールを助けるためならば何でもすると思っています。アデールは赤ちゃんのときに脳性まひ、脳障害との診断をくだされ、神経科の医師からは、見る、聞く、歩く、話すといったことができるようにはならないと告げられていました。 |
レアは真剣に取り組んでいます
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最初からチームの一員でした 人間能力開発研究所による脳障害児に関する活動のことを知ったご両親は、「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」のコースを受講し、その後家庭でアデールのためのプログラムを始めました。 小さなレアは、その最初の日からチームに加わっていました。 家庭でおこなうプログラムに参加し、責任を分担し、アデールが研究所にくるときはいつも付き添っていました。 |
アデールが床で腹ばいを覚えようとしているとき
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小さなレアは、ケーキやカップケーキなどのお菓子作りが得意です。 デコレーションも上手です。 この料理の腕を活かして、アデールのプログラムのため、そして1年に2回のフィラデルフィア訪問のための資金集めをしています。 アデールが健常へと向かう道のためには欠かせない存在となり、併せて自分の好きなことも追い求めています。レアは、自分が今どう生きるべきかをよく知っています。「アデールは人間能力開発研究所で治療を受けてよくなり、例えば腹ばいがもっと上手になるように、アメリカの研究所へ行く必要があります。 だから私は妹を助けるために、お金を集めたいの。」 |
レアはお菓子作りの達人
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レアはカップケーキを売って何千ドルも集めることができました。 この活動は、国外でも注目されました。 妹のために資金が集まっただけでなく、フードエイド財団のための資金まで集めたのです。 この財団はレアを史上最年少のアンバサダーに指名しました。 人を助ける活動によって、レアは昨年ヤング・チェンジメーカー賞 (世の中を変える若者賞)を受賞しました。 |
素晴らしい行いに対する賞を受けました
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妹と家族への使命感を持って献身的に活動しているレアのファンは世界中に広がりました。 「ビッグハートのシェフ、レア」というレアにぴったりのタイトルのフェイスブックには、すでに世界各地から4600人のフォロワーがつき、レアの努力を応援しています。小さなアデールはすでにたくさんの予測をくつがえしてきました。 見ることも、聞くことも、もう問題ありません。 今では年齢レベル以上のものを読み、理解しています。 ご両親とレアは、アデールにたくさんの働きかけをして、チャンスを与えてきました。 人間能力開発研究所の読みのプログラムと数学のプログラムを通じて、読むことや数学も学びました。 アデールも、お姉ちゃんのレアと同じようにとても賢いことは明らかです。 話もできるようになってきて、二語文や短いフレーズも使っています。 腹ばいもし始めました。 |
家族の何よりも素敵なひととき
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レアは素晴らしい人物で、素晴らしいお姉さんですが、それはレアに限ったことではありません。 長年にわたって私たちは、脳障害児の何千人もの兄弟姉妹と出会ってきました。 みんなこの世界の誰よりも心優しく、誰よりも心が広く、献身的で、頑張り屋です。 こういう子どもたちが毎日、この世をより良い世界へと変えているのです。 私たちはプログラムをおこなっている脳障害児たちが達成した素晴らしい成功に光をあてますが、その一人ひとりの後ろには、愛情にあふれた、献身的な家族がいます。 その家族が歩む一歩一歩に、兄弟姉妹がかかわっているのです。 レアとその家族は、このような素晴らしい家族を代表しているのです。 レアのFacebookページをご覧ください
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