脳性まひ ブランカのサクセス・ストーリー


生まれた日のMRIには広範囲の脳浮腫がみられました。

へその緒が首に二重に巻きついていて、ブランカは仮死状態で生まれてきました。
直ちに酸素が与えられました。
生後すぐに発作が始まり、二種類の抗けいれん剤が投与されることになりました。
生まれた日のMRIには、広範囲の脳浮腫が見られました。
入院は12日間に及びました。

退院後の成長も思わしくありませんでした。
視覚の反応がなく、生後10か月の検査では皮質盲と診断されました。
ほとんどの子どもがすでに歩いたり、話し始めたりする1歳6か月になっても、ブランカは生まれた時に比べてほとんど発達していませんでした。
目が見えない、聞こえない、感覚がない、動けないという状態でした。
泣くことはできましたが、その他の声は出せませんでした。
診断は「脳性まひ、痙直発作、脳損傷」でした。
現在よりもよくなるかもしれないが、普通の生活が送れるようにはならないとご両親は告げられました。

 

「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」コースの存在を知る

ご両親は迷わずコース参加を決めました。
そして視覚、聴覚、触覚の刺激のプログラムを集中的におこない始めました。
ブランカができるだけ早く自分で動けるように、腹ばいトラックを傾斜させて使いました。

 

傾斜した腹ばいトラックの上で動くためのプログラムを毎日何回もしました

 

生理面の発達を促し、体調をできる限りよくするために、栄養プログラムもしっかりとおこないました。
こうして、プログラムを始めてから1年のうちに、ブランカは驚くべき進歩を達成していきました。
目が見えるようになり、ご両親の顔がわかるようになりました。
生まれて初めて、写真を見てもそれが何であるかわかるようになりました。
見えるようになったので、ご両親は読みのプログラムを始め、ブランカはこれが大好きになりました。

 

読めるようになりました

 

聴覚刺激のプログラムを始めて、自分のまわりの音が聞こえるようになりました。
単語を理解し、指示に反応するようになりました。
周囲のことを理解し、さまざまなことに反応する子どもになったのです。

傾斜させた腹ばいトラックを使うのを止めて、平らな床で腹ばいをするようになりました。
そして両手両膝で体を支えて、高ばいが始まりました。
人間能力開発研究所のスタッフはご両親と一緒に、ブランカが自分の足で立てるように働きかけました。

次にブランカは頭上梯子を使って歩く練習を始めました。
頭上梯子をつかんで、毎日数百メートル歩きました。

 

頭上梯子を使って歩き始めたブランカ

 

視力と聴力がしっかりしてきたので、本格的な知性のプログラムを始められるようになり、百科事典的知識や算数のプログラムもおこないました。

 

お母さんはビッツカードを使ってさまざまなことを教えました

 

数字を学ぶのはブランカにとって簡単なことでした

 

かつては目が見えず、耳も聞こえなかった少女が、年齢レベル以上のものを読み、理解しています。

単語を何千語も学び、ご両親が手作りした本をたくさん見せてもらい、そしてブランカは独りで読めるようになりました。
スペイン語だけでなく、英語も読んでいます。
読むことが大好きで、世界のさまざまなことを学んでいます。
かつては目が見えず、耳も聞こえなかった少女が、年齢レベル以上のものを読み、理解しています。

話せる単語は数千語にもなり文章も話すようになりました。

プログラムを始めたころのブランカは、泣き声を出せるだけでしたが、生理面、知性面、運動面のプログラムをしっかりと一貫しておこなって、話せるようになりました。
言葉にできる単語は数千語になり、文章も使えるようになりました。
一度に3つから5つの文章を使って話せます。

頭上梯子でたくさん歩いたことが実を結びました。
ブランカは梯子から離れて、自力で歩くようになりました。
家の中でも、外でも歩けるようになったのです。

 

独りで歩きます 長い距離も歩けます

 

歩く距離も徐々に長くなり、1回に1キロ以上歩くようになりました。
ジャンプもできるようになってきて、そろそろ走り始める時がきそうです。

 

体のバランスと動きの協調がとてもよくなりました

 

手を使う機能を向上させるために、ぶら下がりを始めました。
これによって手と腕の力が強くなり、手を使うことも上手になりました。
長い時間ぶら下がっていられるようになり、楽しんで続けています。

 

 

胸囲が大きくなりました力が強いことも自慢です

ブランカが何か新しいことをすると兄弟姉妹は大喜びします。
ブランカの勝利は、自分たちの勝利であることをよく理解しているのです。

ブランカ一人だけが頑張っているのではないのです。
進歩し続けるブランカを助けて、4人の兄弟姉妹を含めて家族全員が毎日一緒に頑張っています。
先回の研究所訪問のときに、お母さんは言いました。
「ブランカが良くなっているのは、ブランカ自身の毎日の頑張りと、親の決意があってのことですが、それ以上に大切なのは、家族だと言いたいです。
子どもたちはブランカのプログラムを完全に理解していますし、母親の決意も理解しています。
そしてこれが私たち家族の毎日の生活であることも理解して、納得しています。
皆、ブランカによくなってもらいたいのです。
その気持ちは母親の私より強いくらいです。
ブランカが何を目指しているか、兄弟姉妹はよく知っていますし、ブランカの勝利は自分たちの勝利だと思っています。
これはとても大切なことです。
家族の協力がなかったらプログラムの成功はないとは言いませんが、家族全員がプログラムにかかわれば、素晴らしい結果が見られることは確かです。
私は家族を誇りに思います。
皆ブランカを愛しているのです。」

 

 

素晴らしきチームブランカと家族

ブランカがこれまでおこなってきたプログラムを振り返って、お母さんは言います。

「人間能力開発研究所に出会わなかったら、ブランカはいまでも、動けない、見えない、話せない、歩けない、読めないままだったでしょう。
私たち家族にも、今のような幸せはなかったでしょう。」

人間能力開発研究所スタッフ一同、ブランカと素晴らしいご家族のこれまでの努力と、目を見張る成果に、お祝いを申し上げます。