「お母さんではない」ことは、お父さんの強みです。
この子はもうできるようになったのだから自分でやればいいと、あえて手を出さないのは、お父さんの素晴らしいところです。
お父さんは、他の子にはできないことがわが子はできるということをしっかりと見極めて、それを尊重するのです。
この無条件の尊敬は何よりも貴重な姿勢です。
子どもは他のなによりも、お父さんのそうした気持ちに反応するものなのです。
お父さんが素晴らしいもうひとつの理由は、限られた時間の中ですべきことをするという時間の概念を見失わないことです。
お母さんは「いつも時間が足りない」という大人の世界と、「この世の時間は全部自分のもの」と思っている子どもの世界にはさまれています。
この二つの世界がぶつかると、混乱が起こります。
お母さんはいつも、「時間が足りない」と「時間はいくらでもある」という二つの世界を結びつけようとしているのです。
どうやってもたどり着けないネバー・ネバー・ランドです。
お父さんの住む世界では「時間は限られている」「時は金なり」「今がチャンス」なのです。
子どもの運動プログラムをするとき、お父さんはただそれをこなすだけではありません。
「攻め」の姿勢で挑みます。
「パパがやると、私がやるときの半分の時間ですんでしまうのよ」と嬉しそうにこぼすお母さんが何とたくさんいることでしょう。
お父さんにとっては「やるのは今しかない」のです。
無駄な要素はありません。
お父さんがやるならば、今すぐにやるか、まったくやらないか、どちらかしかないのです。 |