未熟児未熟児が問題を抱えているのは運命なのか？脳に働きかけることによってその人生を変えられるのか？パート２

予定より14週間早く生まれ、ついに家に帰ってきた赤ちゃんについて昨年末に紹介しましたが、お父さんからその後の様子の報告が届きました。

家に帰ってから8週間が経ちました

「一日、一日を積み重ねる」ことが122回続きました。
コアは122日目にNICUから出て家族のもとへ帰ってきたのです。11月12日、朝5時55分、私たちは病院に電話をかけました。
睡眠時無呼吸があったため、退院できるかどうかはこの日の朝6時に決まると言われていたのです。
私たちは、クリスマスイブの子どものようでした。
明日はコアが退院できるかもしれないと思うと、眠れませんでした。退院の条件は、コアが7日間続けて、呼吸が止まることなく過ごせることでした。
6日間続けて呼吸が止まらなかったのに、7日目に一瞬、1秒にも満たない時間、コアの呼吸が止まるということが、この1、2か月続いていました。
この一瞬のために、また1日から数え直しでした。
落胆するしかありませんでしたが、私たちは、コアが「7日間連続」に成功する日は必ず来ると信じていました。とうとう家に帰ってこられることになりました。
コアの兄のスカイも、両親と同じくらいわくわくしていました。
NICUに入ることが許されなかったスカイにとって、直接弟のコアを見るのは初めてだったのです。
二人の初めての出会いは、素敵な光景でした。
興奮を抑えきれなかったスカイは、コアを抱いたママが廊下をこちらへ歩いてくるのを見て、待合室のソファーから飛び出しました。
初めて見た弟のコアへの湧き上がるような愛は、瞬時に見てとれました。
スカイは赤ちゃんの指、つま先、耳、目などをチェックしていました。
すべてが揃っているかどうか、調べているかのようでした。
この兄弟愛は、一生続くことでしょう。
ほんとうに特別な瞬間でした。
そばでこの光景を目撃したことは、私にとって特別の経験でした。

スカイとコアの初めての出会い

その後一週間、眠れぬ夜が続きました。
コアが夜泣きをしたわけではありません。
私たちは、ぐっすりと眠っているコアから目を離すまいと、眠ることが出来なかったのです。
常に状態を見ながら、胸や背中の動きを観察し、ちゃんと呼吸をしているかどうかを確認していたからです。
小鼻、目、口、頬などがピクッとする程度の僅かな動きでも見とめたなら、その後数分は安心し、また同じことを確認できるのを待つのです。
実にはらはらする時間でしたが、コアは大丈夫でした。
一度も呼吸が止まることはありませんでした。

これから本当にするべきことが始まります。
コアが入院中、私たちは計画を立て、見せたいビッツをつくっていました。

コアはビッツカードを見るのが大好きです

妻と私は、すぐにコアへの働きかけを始めました。
ビッツカードは日本語と英語で作りました。
言語を一か国語にかぎる必要はないはずです。
腹ばいトラックは一日10回から始めました。
妻のやり方は、一貫して安定していました。
生まれついての母親、生まれついての教師です。
コアができる限り良い形でスタートできるように、できること、知っていること、学んだことをもれなくおこないました。
コアはすでに私たちの声に親しみを感じていました。
数週間前からコアは、私たちが話すと、実際に私たちの口をよく見るようになりました。
そしてその口の動きを真似しようとしていたのです。
コアはたくさん話しました。
「話す」のです。（赤ちゃんは何か音を出しているだけだという人もいますが。）
朝の早い時間は、私の大好きなひと時です。
その「パパの時間」に、私はコアと楽しく会話します。
「昨夜はどんな夢を見たの」、「今日はどんなことをしようか」といったように。
その間ママにはもう少し寝ていてもらいます。息子の目は、私たちをしっかりと見ています。
その目は「今日は僕に何を教えてくれるの」と語っています。
いつも何かを求めているのです。
毎日、家の中で新しいものを発見しています。
私たちはコアを抱いて家じゅうを歩き回り、壁にかかっている絵や、小さな彫刻などを見せます。
ビッツの3D版とでも言いましょうか。
見せたものについて話して聞かせます。
今では、「コア、・・・・はどこかな」と訊くと、目を輝かせます。
3メートルほど離れたところにいる妻の顔を見て、にっこりと笑います。
コアが妻の動く方向に顔を動かして、ママの顔を見ては笑顔を見せることに、妻は今週になって気づきました。
ママがすぐ近くまで来て「私のこと見ていたのかしら。ずっと見えていたのね」と言うまで、コアは笑顔で見ていたのです。
新生児の脳の発達を促す黒と白のビッツカード、細部のあるビッツカード、知性のビッツカードなどを見せていたことの効果にほかなりません。