脳性まひ メルヴィンのサクセス・ストーリー


 

脳障害は治療できる

赤ちゃんは順調に発達しているようだったので、ご両親は何の心配もしていませんでした。
ところが生後5か月でインフルエンザにかかり、病状はかなり深刻でした。
嘔吐が続いたため体重は1キロ近く減り、さらに扁桃腺炎にかかりました。
その後2か月間非常に具合の悪い状態が続き、眠ってばかりいました。
生後7か月になっても動けず、頭を持ち上げることもほとんどできませんでした。

 

床に置かれても動けませんでした

生後9か月で検査をした時、メルヴィンに問題があることは明らかでした。
音に対する反応がほとんどなく、おもちゃに興味を示さず、強度の内斜視がありました。
MRI検査の結果、脳に損傷があることが確認されました。

 

ご両親はメルヴィンに
何かしてあげたいと思っていました

医師はメルヴィンの状態がどうなるのか予測できず、しばらく様子を見ましょうと言うだけでした。
ただ見ているだけではいられないと思ったご両親は、すぐにインターネットの検索を始めました。
そこで人間能力開発研究所グレン・ドーマンの書いた『あなたの脳障害児になにをしたらよいか(邦題:親こそ最良の医師)』を見つけたのです。このときメルヴィンは1歳10か月で、手足を動かすことはできましたが、前に進むことはまったくできませんでした。
ご両親は本を参考に腹這いトラックを傾斜させたところ、メルヴィンはすぐに腹ばいができるようになりました。
この嬉しい成果を目にしたご両親は、フィラデルフィアで「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」コースを受講することにしました。
コースに参加することでさらに勇気づけられたご両親は、その数か月後に人間能力開発研究所のイタリア支部を訪れ、メルヴィンの機能評価を受け、研究所スタッフの作成したプログラムを受け取り、家庭で実施しました。傾斜した腹這いトラックを使って、メルヴィンは腹ばいができるようになりました。
さらに傾斜した腹這いトラックから床の上へ進み、平らな所でも腹ばいができるようになりました。
自由に動けるようになるまでの輝かしい旅は、ここから始まったのです。知的な発達を促すための知性面のプログラムも始まりました。
ご両親は人間能力開発研究所の『赤ちゃんに読みをどう教えるか』の本を参考にして教え、メルヴィンは読むことが大好きになりました。
このころを振り返って、ご両親は言います。「メルヴィンは2歳半で読むことが出来るようになりました。
この年齢で自分で読める子どもはそんなにいないでしょう。
我が家の他の子どもたちも、2歳半では読めませんでした。」

読みのプログラムが大好きでした

研究所勧めで、メルヴィンのための特別な栄養プログラムも始まりました。
その結果消化の問題がなくなり、健康状態が改善されました。
周囲の世界についての知識をたくさん与えるために、ビッツカードを使ったプログラムも始めました。

お母さんは様々な分野を選び、とくにメルヴィンが好きな分野にはちからを入れました。
メルヴィンは与えられた情報を瞬く間に吸収し、お母さんに教えてもらう時間の一瞬一瞬がこの上なく楽しいものになりました。

セッションは短く、楽しいことが基本でした

ご両親はまた『赤ちゃんに算数をどう教えるか』の本も参考にして、算数という言語を教えました。
メルヴィンはこれもむさぼるように吸収し、驚くべき速さで学び続けました。
より高度なレベルの算数に進むのに、時間はかかりませんでした。

分数を学んでいるところです

充実した知性面のプログラムは、メルヴィンの動こうという意欲に大きな刺激となりました。
ご両親は高ばいができるようになることを目指し、平らな床の上での腹ばいの距離を徐々に増していきました。そしてメルヴィンは腹ばいと高ばいができるようになりました。

高ばいが大好きでした

次に頭上梯子を使って歩くことを覚え、徐々に距離を延ばして、最終的には1日数百メートル歩けるようになりました。
ご両親はいつもメルヴィンに寄り添い、教えたり、元気づけたりしました。

歩けるようになるために
頭上梯子は欠かせませんでした

メルヴィンはちからの限り頑張り、完全に独りで歩けるようになりました。
メルヴィン自身だけでなく、ご両親も誇らしい気持ちでした。
ご両親の報告には、こうありました。「メルヴィンがとうとうやりました!
人間能力開発研究所の知識と激励がなければ、決して起こりえなかったことです。」

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動けなかったメルヴィンが歩くようになるまでの
素晴らしい旅の様子です

独りで歩けるようになったメルヴィンは、知的には年齢レベルを超えています。メルヴィンの変化を振り返って、お母さんはこう書いています。「理解力はすでに年齢レベルを超えました。
読む本や算数は10歳児レベルくらいでしょうか。
指示にしたがうことも、どんどんできるようになっています。
質問にも以前よりずっと早く答えることができます。」メルヴィンは今、どこでも歩き回っていますし、知性面でも年齢レベルを超えていますが、これは、自分のもつ可能性を花開かせようとするメルヴィンに、日夜手を差し伸べつづけたご両親や兄弟の努力があってのことでした。

強力なチーム
助けを必要とする子どもにとって
解決策は家族であることを証明しました