「食」について考える 後編


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「食」について考える 後編

 

「お勧めの食生活」なるものは数えきれないほど存在し、それぞれが「究極」の食生活と自称しています。たとえば、健康を保つためにはピーナッツを大量に食べるのがいいと言われたと思ったら、次の週には、どんな事情があってもピーナッツは絶対に食べないか、ピーナッツは世の中に存在しないと思えという説が現れたりします。
こういう具合ですから、どうしてよいかわからずイライラしてしまいます。
なにか一種類の食べ物だけで、食生活が左右されるかのようです。

しかし世間一般でのこうした騒音は収まり始めているようです。
体にとって本当に良い燃料は、ありふれていて、扱いやすくて、安いものなのです。
複雑に手が加えられていて、扱いにくくて、値段が高いものではありません。

体が取り入れるようにできていないものは、食べるのをやめる必要があります。
人間の体は、新鮮な果物と野菜を問題なく消化します。
これらの食物は、なによりもビタミンとミネラルを豊富に含んでいます。
穀類と豆類は肉や乳製品よりも食品として優れていますし、含まれるたんぱく質もより消化の良いものです。
体が必要とする繊維質もたくさん含まれています。
私たちの健康的な食生活の基礎として、このごく当たり前の真実が、やっと認められるようになったのです。

 

 

あらゆる食べ物のなかで最も栄養価の
高いのは、ありふれた、新鮮な、
地元で採れる果物でしょう

 

店で売られている食品のラベルを片端から読んで、有害な添加物が使われていないかどうかを確認するという面倒な作業をするよりも、箱入り、袋入りのものは買わないことにすればよいのです。
スーパーマーケットのカートに入れるのは、生野菜と果物だけです。
私自身は、箱入り、袋入りのものを買いません。 

レジで私の前にいる女性のカートには、箱入りや袋入りの商品やボトル類が、全部で100キロはありそうなくらい入っていたりします。
そのなかに生野菜や果物はひとつも入っていないことがよくあります。
合成の添加物などを含んだ加工食品に250ドルも払っているのです。
5リットル入りのソーダ類のボトルを何本も買っているのを見て、この人の家族はソーダのお風呂にでも入るのかしら、それともこれで車を洗うのかしらと思わざるを得ません。
そのどちらかであることを願います。
この女性の家族の小さな子どもたちがソーダを1リットルも飲みながら、食べものをお腹に流し込む姿が頭をよぎるからです。
その女性は果物と野菜しか入っていない私のカートをちらっと見て、こう訊きます。
「何か特別な食生活でもしていらっしゃるの?」

「ええ、食べ物だけを食べるという食生活をしているのです」という言葉を、のど元でぐっとこらえます。

私の後ろに並んでいる女性のカートの中も、前の人と似たようなものです。
私が80ドル払っているのを見て驚いて、こんなに少ししか買わないのに80ドルも払っている!と思っているのが分かります。
私が支払いを終えてレジを離れても、その女性はまだ納得がいかないようです。 

ともあれ私は家に帰り、食事の準備を始めます。
果物は洗えばすぐ食べられます。
準備は5秒です。
野菜は洗って蒸します。
果物よりちょっと時間はかかりますが、それでも20分もあればもう食べられます。
豆類や穀類はスロークッカーに入れて、スイッチを入れ、私は仕事に出かけます。
仕事から帰ってきて、食べたいときに食べられるということです。

「よい本は、8ページあればいい。
あとはページ数を増やすための記述や説明書きだ」と父はいつも言っていました。
栄養についての本も、とてもよいものがたくさん出版されています。
ぜひ読んでください。
読むのは面倒だ、健康的なよい食生活について要点だけ知ればよいという方は、ここに書かれていることを参考にしてください。
栄養についての本というものは、要約すればこういうことになるのですから。