運動面の優秀性とは、子どもたちが日々の生活の中での様々な場面で怖がらずに、楽しく運動する能力があることです。 いかにしてそれを子どもたちに身につけさせるかが、私たちの究極の目的です。 子どもたちがすることのすべてを心に留め、子どもたちが大きな喜びを感じながら運動し、いざというときには自らの命を守れるようにしたいのです。しっかりした運動能力を身につけるには、動きの協調性、筋力、耐久力、体調の向上に注意してプログラムを進めましょう。 結果として、子どもには自信がついてきます。 どんなに優れていても、あるひとつの活動・運動だけを集中的におこなうよりも、さまざまな体の使い方をする方がずっとよいのです。 私たちは、ハイキング、ランニング、水泳、体操、自転車などの運動を勧めています。 どれも、公園、駐車場、裏庭、自然のなか、家の居間や体育館などでできます。こうした運動で身体を動かすことは、脳への刺激となります。 |
脳は使うことで成長します。 身体を動かすことは、小さな子どもたちの脳の成長を助けます。 子どもたちにとって絶対に必要なことです。 視覚機能の発達は、身体を動かすこととかなり密接な関わりをもっています。 運動の内容が高度になればなるほど、視覚機能は順応して発達します。 同じ活動を繰り返しおこなうことで、身体を使う協調性がよくなります。 繰り返して練習することで、完成度が高まります。 より高度な運動ができるように、バランスが発達します。 ただし、子どもが自分でできると思える範囲を絶対に超えないように、細心の注意を払って、段階的に、少しずつ高度なものにしていきます。 かのテンプル・フェイ博士が70年前に述べたことは、今でもそのまま生きています。 フェイ博士は「必要性があれば、手段は現れる」と言いました。 子どものために必要性を創り出すことが、私たちの仕事です。必要性があれば、そのための手段は、子どもと、その優れた脳から出てくるのです。 |
視覚の収束、動きの協調、身体のバランスは、運動能力の基本です。 その基本を支えるのは呼吸です。短い距離を全力で走ると、呼吸が深くなります。 それに対して長距離の耐久走には、規則的な呼吸が必要です。 深い呼吸と規則正しい呼吸が、呼吸機能が発達させるのです。 呼吸機能がしっかりすると、今までやったことのない運動にチャレンジしても成功できるようになるのです。 |
運動面でチャレンジすることは、忍耐と自己規律を身につけるのに役立ちます。 どんなトレーニングをおこなうにしても、身体的なチャレンジの度合いを、徐々に増やしていくように計画しましょう。 適切におこなえば、子どもは毎日、苦労せずに目的を達成することができるはずです。 細心の注意をはらって計画したトレーニング・スケジュールにしたがって成功すると、毎日一貫しておこない、一歩ずつ前進することが必要であると、子どもは身をもって学びます。 子どもたちはとても賢いですから、このやり方は何をするときにもあてはまることを学びます。 一歩ずつ、休まずにおこなうことによって、何かひとつのことを達成できたなら、次のこと、さらに次のことにチャレンジするときも同じようにすればよいことを知るのです。このやり方で行けば、自分は何でもできるようになると考えるようにさえなります。何歳になってもこのやり方は有効ですが、4歳、5歳、6歳という年齢でこういうことを学び取ることができるなんて、素晴らしいと思いませんか。 |
人間能力開発研究所 副所長 運動面を優秀にするための研究部門ディレクター ダグラス・ドーマン |