健常児 – 脳について


かつては、脳の成長はあらかじめ定まったものであり、変化させることはできないと考えられていました。しかし実は、脳の成長と発達は流動的であり、常に変化をし続けるものなのです。

成長と発達のプロセス は、停止することもあり得ます。非常に重度の脳障害の場合が、それにあたります。プロセスの進み方が遅くなることもあります。中度の脳障害の場合がそれに あたります。しかし、何よりも重要なのは、成長と発達の速度は速めることができる、ということです。
脳の成長と発達の速度 を速めるためにおこなうべきことは、人間の脳は秩序に従い順を追って成長することを認識したうえで、視覚、聴覚、触覚の分野での刺激を、より高い頻度、よ り強い強度、より長い継続度をもって与えること。それがすべてです。そのうえで、運動系の経路を実際に使うことで発達させていくために、理想的な環境にい る機会を、最大限に子供に与えます。
設立当初から50年以 上にわたって、人間能力開発研究所のプログラムの軸となっているのは、「脳は使うことで発達する」という事実です。現在、人間の脳の可塑性を認識した科学 者たちは、神経可塑性について研究をおこない、それによって、脳には驚くべき回復力や修復力があることが確認されています。いったん傷ついた脳を回復させ る方法はないという考え方は、過去のものとなりました。