第七のプログラム:集中プログラム


集中プログラムは、人間能力開発研究所のプログラムのなかで、もっとも歴史が古く、もっとも成功を収めているプログラムです。より良い、より効果のあるさまざまなプログラムを開発する先駆けとなったプログラムです。このプログラムは、ご両親が子どもを連れて、定期的に研究所を訪れ、機能評価を受け、次のプログラムを受けるというシステムです。加えてご両親は、子どもの脳の発達について、広範囲にわたるレクチャーと指導を受けます。プログラムのあと、次に研究所に来るまでのあいだ、子どものための集中プログラムをおこない、その間スタッフと密に連絡を取りながら、プログラムについての支援を受けることができます。愛情と、決意と、十分な情報を身につけたご両親によっておこなわれるこのプログラムは、脳障害児のうえに素晴らしい結果を残せることが、実証されています。

 

目的

このプログラムは、運動面、知性面、社会面で成長し、子どもが正常の域へ達することを目的としています。人間能力開発研究所が提供するもっとも集中的なプログラムですので、子どもが健常になるチャンスも、もっとも大きいものです。集中プログラムでは、研究所の知識が許す限り、できるだけ理想に近い条件を満たしたプログラムを作成し、そのプログラムを、家庭で集中的におこなうことができるご両親に教えることを目標としています。

 

資格

このプログラムに正式に参加できるのは、研究所から招かれた家族に限られます。アスピラント・プログラムを実施できたご両親は、集中プログラムに受け入れるための検討対象となります。ご両親の双方が「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」のコースを修了して人間開発士イニシャル・ペアレント・レベルの証書を授与され、さらにホームプログラム・コンサルテーションを完了していなくてはなりません。

 

準備

集中プログラムを望む家族は、アスピラント・プログラムをしっかりとおこなっていることが必要です。アスピラント・プログラムでの研究所訪問から、次の訪問までの間、スタッフと密に連絡を取ることがとても重要です。スタッフとの連絡には、月間報告書のほか、質問があるとき、また何らかの問題が発生したときに、スタッフに直接連絡することも含まれます。

 

内容

集中プログラムに受け入れられた場合、家族は約6か月ごとに、研究所を訪問することになります。訪問はそれぞれ1週間で、それまでの様子についての確認(ヒストリー)と機能評価で1日、レクチャーで2日間、残る2日が、新しいプログラムを学ぶ日となります。

集中プログラムの1週間は次のようになります。

  • 前回の研究所訪問以降のことについての確認(ヒストリー)
  • 脳の神経的な機能評価
  • 新しい発達プロファイル
  • 身体測定
  • 進歩についてのまとめ
  • レクチャーシリーズ
  • 詳細な感覚系のプログラムの作成
  • 詳細な運動系のプログラムの作成
  • 詳細な知性面のプログラムの作成
  • 詳細な生理面のプログラムの作成
  • 新しいプログラムのおこない方について、ご両親に細かく指導
  • 質問があれば、納得のいくまでお答えします
  • この先6か月間の連絡、報告などの詳細説明

 

レクチャーでは、スタッフがそれぞれの子どものために作成する運動面、知性面、生理面、社会面のプログラムを理解し、実施するために必要な原理とテクニックについて講義をします。レクチャーは、ご両親の知識と経験が増すにつれて、より高度になっていくように、注意深く構成されています。ご両親は、特別な知識をもっていたり、特別な教育を受けていたりする必要はありません。これまでの半世紀の間、あらゆる経歴のご両親が人間能力開発研究所にやってきて、この、他に類のない、一連のレクチャーから、多くを学んできました。子どもの擁護者となるスタッフは、担当の子どもの進歩の具合を観察し続け、ご両親からの連絡(報告書、電話、ファックス、メール、郵便など)が、しかるべく処理されるように目を配ります。

 

証書

研究所訪問の1週間の間に、お教えしたことのすべてに関して、履修の確認をして、対象となる方には証書が発行します。レクチャーシリーズ Ⅳ を修了し、集中プログラムを18か月以上おこなってきたご両親には、子どもの脳の発達士、中級レベルの証書を授与します。レクチャーシリーズ Ⅵ まで完了し、24か月以上プログラムをおこなってきたご両親には、子どもの脳の発達士の最終レベルの証書を授与します。

 

重要なお知らせ

集中プログラムをおこなっている家族は、研究所と密接に連絡をとり、研究所訪問にあたって、毎回十分な態勢をととのえていることが、とても重要です。これまでの50年を超える経験を通じて、集中プログラムが、もっとも早く結果を出せるものであることを、私たちは学びました。集中プログラムは、広範囲にわたるプログラムです。朝起きたときから夜寝るまで、脳障害児に最大限の刺激と機会を与え続けられるように作られたプログラムです。そのため、学校に行ったり、家庭外での活動に使える時間はありません。

集中プログラムの条件

1. 家庭でプログラムをおこなうときは、お父さんかお母さんのどちらかが、必ず子どもと一緒にいなければなりません。

2. 毎日、すべてのプログラムをおこなわなければなりません。

3. プログラムを成功させるには、毎日、毎週、毎月、スタッフと連絡を取ることが、欠くことのできない要素です。

4. 研究所訪問の際は、ご両親が揃って来なければなりません。

5. 初めて研究所を訪問した後は、約6か月ごとに研究所を訪問するスケジュールがたてられます。

子どもたちの大半は、最初の2年間で少なくともひとつ、大きなヴィクトリーを達成します。見る、聞く、歩く、話す、読む、書くなどが、初めてできるようになるということです。数は少ないですが、最初の2年間で、健常の域に達して、プログラムを卒業する子もいます。ご両親が望めば、その子どもは、その人生で大人としての地位を固めるまで、1年に1回研究所を訪れ、引き続き健常への道を歩んでいるかどうかを確認することができます。ほとんどの場合、子どもたちは大幅な進歩を達成しても、この期間で完全に健常にはなりません。ご両親は、子どもが同年齢レベルの機能を身につけるまで、研究所訪問を続けることができます。最初の2年間が終わると、ご両親に、人間開発士の最終レベルの証書が授与されます。その後もさらに集中プログラムを続けることができますが、自家製のプログラムに移行したり、レクチャーシリーズを続けたりしながら、家庭でおこなうプログラムをより充実させていくという選択肢もあります。

注:日本では年に2回、研究所のスタッフチームが来日して、集中プログラムをおこなっています。
スケジュールに関しては、上記の説明と異なる部分もあります。対象となる家族には、その都度
スケジュールをお知らせします。

 

日本の連絡先

 

人間能力開発研究所 日本担当  野口 光枝      電話 070-3536-1881

メール info_japan@iahp.org

 

 

もっと知りたい方は: